【世田谷区】東大卒の社員がいる。何者?なぜこの街の会社を選んだのか聞いてみました

世田谷区にある、地域密着の小さな会社。スタッフは約20人。地域では長く知られている会社ですが、取材中、ちょっと気になる話を聞きました。
「うち、東大卒の社員がいるんですよ」
……東大卒?
思わず聞き返してしまいました。しかも、大企業から転職してきたのだとか。なぜ、世田谷区のこの会社に?気になります。
ということで、本人に話を聞いてみました。

本当に東大卒でした
今回お話を聞いたのは、入社3年目の佐藤さん。
現在32歳です。
「本当に東大卒なんですか?」
いきなり失礼な質問をしてみました。
「はい(笑)。一応、本当です」
卒業したのは東京大学経済学部。
大学卒業後は、誰もが名前を聞いたことのある大手企業へ就職しました。
いわゆるエリートコース。
……のはずでした。
「でも、ずっとここで働くのかなって思ったんですよね」
仕事が嫌だったわけではありません。給料も悪くない。会社も安定している。周囲から見れば、順調そのもの。それでも佐藤さんの中には、少しずつ疑問が生まれていたそうです。
「自分がやった仕事で、誰が喜んでいるのか。正直、よく分からなかったんです」
転職先は、世田谷区の会社
転職活動を始めた佐藤さん。
大手企業や有名ベンチャーからも声がかかりましたそんな中で見つけたのが、世田谷区にある〇〇株式会社でした。
社員約20人。
佐藤さんは、会社の名前すら知りませんでした。
「最初は転職するつもりで話を聞きに行ったわけじゃないんです」
きっかけは、知人からの紹介。
「面白い社長がいるから、一回会ってみたら?」
それだけだったそうです。

社長との最初の面談。会社の説明は、ほとんどありませんでした。
「佐藤君、何したいの?」
いきなり聞かれたそうです。
「分からないですって答えました(笑)」
すると社長は、
「じゃあ、一緒に考えよう」
佐藤さんは、その言葉が妙に気になりました。
「自分の仕事が見える」
現在、佐藤さんが担当しているのは新規事業。企画を考え、お客様に話を聞き、サービスをつくる。時には自分で営業にも行きます。
「大きな会社にいた時より、やることは増えました(笑)」

失敗することもあります。自分のアイデアが、まったくお客様に響かなかったことも。
「結構へこみますよ。でも、自分が考えたものなので、人のせいにできないんですよね」
その一方で、お客様から直接、
「これ、いいね」
と言ってもらえることもあります。
「それが、めちゃくちゃうれしいんです」
以前の会社との一番の違いを聞くと、
「自分の仕事が見えることですかね」
と答えてくれました。
社長は「学歴を知らなかった」
ここで、社長にも話を聞いてみました。
佐藤さんが東京大学卒業だと知った時、どう思いましたか?
「え? 入社してから知りました(笑)」
まさかの回答です。
「面接で大学名、ちゃんと見てなかったんですよ」
では、なぜ採用したのでしょうか。
「話していて面白かったから」
それだけ。
「学歴がすごいから採用したわけじゃないですよ。何か考えてそうだったから(笑)」

佐藤さんは隣で苦笑い。
「東大卒って、ここでは全然関係ないですね」
こんな人に出会いたい
現在、〇〇株式会社では、新しい人との出会いを探しています。
社長に「どんな人と一緒に働きたいですか?」と聞いてみました。
「佐藤みたいな人?」
すると佐藤さんが、
「東大卒ですか?」
「いや、そこじゃない(笑)」
社内に笑いが起きました。
社長が出会いたいのは、学歴が高い人でも、すごい経歴を持つ人でもありません。
「今のままでいいのかなって、ちょっと思ってる人」
やりたいことは、まだ分からない。
でも、何かやってみたい。
「そんな人と話してみたいですね」
東京大学を卒業し、大企業へ。
そして今、世田谷区の小さな会社で新しい事業をつくっている佐藤さん。
「なんでこの会社に?」
最初はそう思いました。
でも、話を聞いているうちに、少しだけ分かった気がします。会社を選ぶ理由は、会社の大きさや知名度だけではないのかもしれません。世田谷区に、ちょっと気になる会社と、ちょっと気になる社員がいました。
東大卒の社員、何者?
答えは、肩書きだけでは分かりませんでした。






